秋田ツアーその4

さて、ライブがスタートした!とにかく本日のメイン!いや、一応俺のライブはゲストライブではあるのでその前置きと言えるのかもしれないが、お客さんのほとんどの目的とするライブ、『佐藤昂正×岩澤将志 スペシャルコラボ』が始まった。登場からいきなりお客さんの心をつかむマサ君と何か話すたびにお客さんを見事笑わせるマサ君のトーク。『聞いてた話とちゃうやん』あまりのトークの絶妙さに、正直焦った。
関西人のしゃべり、期待してますよ、とか言いながら、確実におもろすぎるやんこの2人。俺、この半分もおもろないやん俺、やばいやん〜。と呼吸困難に陥った。
考えたらマーシー君は普段から和太鼓のステージでステージ運びのMCをやってるわけだし、マサ君は芸能人。テレビで常にアドリブでお客さんを笑わせてるわけである。普通の『どうも〇〇です。最後まで楽しんでってください』的なスーパー普通のMC、やるわけなかった。
そればかりか気合い入ってるはずやのにそれをまったく表に出さず、ちょっとやってみた、みたいな雰囲気で魅せる、聞かせる。ま、まけた…。
さらに和太鼓のソロや横笛、インストなど挟みながらのステージ運び。気づけばお客さん全員で拳を上げて掛け声『オイ!オイ!』コールが始まった。あかん、飲まれたあかん。と楽屋に退避してみたがまだ聞こえてくる。会場全体の『オイオイ』が。
話ちゃうやん、長渕の弾き語り言うてたやん〜。こんなに盛り上がるとは〜。
もうこうなったら小細工はなしじゃ、今までやってきた自分を信じ、やったらぁい。俺はなぁ、ベテランなんだよ!
と自らをマインドセットした。
マサ君とマーシー君のライブは見事に盛り上がり、大成功。ついに出番がやってきた。

とりあえずのボサノバから派手な曲、静かな曲ら歌詞を聞かせる曲、アレンジ聞かせる曲、乗せていく曲から最高潮へと、完璧なセットリストを組んだ。

よし、いっちょやるか!

そして、一曲目。
うんうん、まあまあ上々やな。
よし、ここらで関西人のトークでがっちりつかんだろか!『どーもー。大阪から来たAkito×Wonderfulです。最後まで楽しんでってください〜。次の曲は…。』

あれ?あかんやん、あかんやつやん!
お客さんの期待する関西人のトークちゃうやん、スーパーおもんないトークやん。よし、次の曲終わったらかましたる!
二曲目。お客さんは耳をそばだてて聴いている
、うんうん、ええ感じや。よっしゃ、ここらでドッカン行こか。『どーもー。次の曲は…。』あれ?あれ?俺、もしかしておもんないやつ?
そして、三曲目、4曲目終わってもスーパーおもんないトークしか出来ず、お客さんは一度もクスリとも笑っていない。しかも真ん中のあたり、女性2人が席を立った。帰ってまう〜。ヤバい!と言うことで5曲目終わったあたりでようやく、いきなり秋田に来てからあったこと、主にこのブログで綴ったような話を放り込んでみた。特になんのオチもなかったけど、お客さんは、俄然、親近感を持ってくれたようで笑いや笑顔が見え始めた。よし!とばかりに少しリズムの入った曲に入った時、気づいたのだ、カウンターに居る異様なまでにノッている女性に。一見セクシーなその女性は、座ったまま身体をくねらせ、踊っている。このひとはもしや…。と思ったら的中して、どうやら僕が秋田でライブさせてくださいとお願いしてタイミングが合わなかった『POPCORN』と言うお店のオーナーさんだった。僕が彼女の身体のくねりに逆に乗せられ、テンションが上がってきた頃、なんとその女性がチップ(高額  )を挟んだ割り箸をステージへ持ってきてくれた。『I love you』とセクシーに声までかけてくれた!よし!行ける、いろいろ行ける!こっから本領発揮じゃい!

続く