アンビエント展示会へ

久しぶりに展示会へ。
多忙な毎日でなかなかゆったりと
展示会へ一人で出かける機会が
減っていたけど『ブライアン・イーノ展』が
開催されてると知り、居ても立っても居られず
ラストの日に京都まで足を伸ばした。

今回は僕が強烈に影響受けた音楽の話、
文章にてお伝えしてみたいと思います。
なかなか僕的は深い深いお話なので
誰かの参考になればと思います。

ブライアン・イーノが誰かって?

僕が一番憧れている人の一人です。

ちなみに他は、
クリンとイーストウッドとイチローと
スティービーワンダーかな、、、。
おっと、脱線しました!

えーっと、
他に挙げた偉人と比べたら一般的な知名度は
低いかもしれないですが、
『ブライアン・イーノ』は
実は音楽の世界では歴史的な
ビッグアーティスト、というか音楽家なんです。
もう、音楽の歴史の教科書があったら
確実に載る人なんですね。

それは『アンビエント』と言う音楽を
作った人だから。

僕のプロフィールにもアンビエントに
強烈に影響を受けたと言うことは
明記するようにしているほど大切な音楽。

『聞いたことあるよ』て方もたくさん
居ると思う。

『ポワーン、ヒーー』
とか、効果音みたいなシンセサイザーの
長ーい音符が延々生まれては
消えていくような音楽。

参考までにYouTube貼っときますね。

聴いたら多分、「はいはい、テレビとかのドキュメンタリーとか

自然の映像、映画の音楽に使われてるやつね」てなると思います。

 

そうなんです、聴いたことない

て状態ではいられないほど

あちこちで『使われている』音楽なんですね。

 

でもこのアンビエント音楽、

ぼくが何故にここまで熱烈に皆さんにその魅力を

伝えたいのかと言うと、その深さ故なんです。

そもそも、我々人間の心の
話になるのですが、
我々人間は考えて感じて思って行動して
生きてますよね。

でも、実はこの自分で自覚のある意識は
わずかに1割ほど。僅か10%しかないと
言われています。
自分の中であれはどうだとか
これはどうだとか、
どうしたいのかどうしたくないのかとか
誰が好きかとか嫌いとか。
そんないろんな感情に理由なんて
うまく言えないですよね。

その理由として、僕らの心は
殆どが無意識の世界だということなんです。

もし、自分の無意識の心と
しっかりと会話ができたら
もっと迷わずに生きられると思いませんか?

ちなみに僕は、無意識の世界と
会話する事が『アンビエント』という
音楽を使えば可能だと思っています。

その実体験をお話したいと思います。
きっかけは二十歳くらいの時でした。
当時僕はTSUTAYAや地元の大きな
図書館でCDを借りてきては家で
テープやMDにダビングして
聴きまくっていました。

その時に出会った、忘れもしない
United Future Organization、いわゆる
UFOと言うDJユニットが作ったコンピ
『phone file2』を当時の彼女と
一人暮らしの部屋で暗闇でかけていたんです。

彼女とまったり話していた時
ちょうどタルビン・シンの音源が
かかった瞬間僕はものすごく
悲しい風景、と言うか情景を
思い出した気になり、無意識に
話し出したのです。

それはおそらく前世の記憶。
または深層心理の風景。
音に反応して口が勝手に自分の
感じたこともない心のことを勝手に
話し出したのです。

それは確かに前世の記憶だったのか、
デタラメだったのかはわかりませんでしたが、
僕は確実に無意識の『内なる自分』の
声を聞くことができたのです。

そのアルバムにはライナーノーツがあり
詳しく各アーティストについて
レビューが書いてあり、片っ端から
そのアルバムに登場しているアーティストの
音源を取り寄せて聞きました。


その時に出会ったのがブライアン・イーノ。
無意識の扉にめちゃアクセスして
いろんな心の知らなかった部分に
光を当ててくれるのは
断然彼の音楽でした。

他の音楽にはメロディやリズム、曲の展開が
あり、それを頭で理解と言うかキャッチしようと
してしまうんですがアンビエントには
そのどれもがない。
ファンクやダンスミュージックも
同じフレーズ繰り返して
トランス状態を作りますが、
それはまずリズムの上での話なので
少しフィジカルなんですね。

アンビエントはもっとシンプル
ひたすらもやーっとした音の繰り返し。
しかも伸ばされた音。
そりゃしゃべっちゃいます。
相手がいたら相手と。
一人で居たら自分と。


深層心理の扉を開ける
大切な要素としては、
誰かと話していることも重要な要素。
自問自答でも悪くはないのですが
言葉になっている方が
自分も無意識の世界を
体感することができます。
ただぼーっと聞いてるだけでも
なんとなく瞑想はできますが
心の奥底の声を掴むことは
できないかもしれません。

一人の場合質問を紙に書いて
自分で答えるのはいいかもしれませんね。


さらに
暗闇で音楽を聴くこと、
これも重要な要素で、
電気を消した部屋で蝋燭一つだけつけて
『アンビエント』を聴きながら
会話する。
このことで表層意識が
分析する仕事を失って
休む。結果
深層心理が目覚めてくるんですね。

その暗闇でロウソク、アンビエント。
これが揃えば
誰とでも深い深い話が出来て
分かり合える気がして
しょっちゅうアンビエントを
友達と聴くようになりました。

僕はこれを繰り返したことで
自分の心のモヤモヤみたいなものが
だいたい理解できるようになり
モヤモヤは消えて、やりたいこと、
やりたくないこと、大事なことや
どうでもいいことが見えるように
なりました。

そもそも、アンビエントは
メロディもリズムもない音楽。
退屈なんですね。
はっきり言って聴いていられない。
退屈すぎて。

でもだからこそ、意識でメロディや
リズムや曲の展開を追わずに
表層意識が休まるんですね。

そんな時ようやくと見える。
都会の電気を全部消して空を
見上げた時のように、
弱い無意識の世界からの
メッセージが届くんですね。

これは多分、夢占いとかでも
やることなんですが、
自分の夢を覚えているうちに
できるだけメモする。

それを重ねるうちに無意識の世界で
自分がどう思ってるのかが少しずつ
理解できるようになると言うお話と同じ。


ちなみにブライアン・イーノは
ロックバンドで激しいキャラクター
やメイクで暴れていた若い時代があり
人気がありすぎて異色すぎてバンドから
シンセサイザーというパートだったのに
一人脱退してソロ活動を始めたんです。

最初はロックな作品を何作か
作っている中、
交通事故に遭い、ベッドで
動けなくなってしまった時期が
あったとのことです。

そんな時、自分では触れない
距離にラジオがあり、そこで
微妙に小さいけど無視できない
音量で音楽がかかってたらしいです。

そんな中、向き合わずに聴く音楽。
『家具としての音楽』と彼は言っていますが
BGM的に聴く音楽の聴き方に
出会ったんですね。

そこから彼は自分の意識と
別の世界で演奏する音楽を模索し始め
やがて『アンビエント』という音楽を
提唱するのです。

彼はいかに無意識に音作品を作るかに
こだわり、無作為なカードで曲の
構成を決めたり、フレーズを決めたりもして
実験的な音楽を数多く作りました。

なるほど。意図しない音を並べたらそれは
自然の音に近くなるかもしれない。
そうしたら心の無意識に届くかも
しれませんね。


目を開けたら延々と忙しい現実。
追われて追われて何がやりたいのか
見失いがちな世の中ですよね。

そんな中、自分の幸せや、
不安、心の全貌をもし見失わずに
いられたら。
多分皆がもっと幸せに
暮らせるようになるって思っています。

僕は今、信じられないくらい
幸せスパイラルの中に生きています。

その土台にあるのはこのアンビエントで
出会えた無意識の世界との対話だと
言い切れます。



ブライアン・イーノ展は
ちゃんと『暗闇で退屈な』展示を
やっていてぼーっと、ただ、ぼーっと
伸ばされた音楽、ゆっくりと変わっていく
光を眺めている僕のアンビエントの
原風景を思い出せる世界でした。

是非、皆さんもYouTubeでいいので
彼の作品を暗闇でローソク一つで
聴いてみて欲しいです。

きっと発見がありますよ!