シンポマンライブの裏側

ようやくリリースパーティーから丸っぽ
一週間が過ぎました。

あの日の片付け、
取り分け頭の中、いや
心の中の片付けが
なかなか進まずほぼ家で
こもっていました。

七月末のワンマンライブを
成功させられた時に、
次は、リリースパーティーの時は
仲間達に集まってもらう
オムニバスイベントにする!

と決めていました。
本来7月終わりにやる
ワンマンがリリースライブ
だったはずの自分の約束が守れなくて…。
なんとも悔しくも情けない
気持ちいっぱいだけど、
レコーディングが進まない、
進めることができない、
そんな実力とパワー不足の中半ば
無理やり決めた日程、それが
10/29でした。

八月頭の時点でレコーディング
終わってたのはわずか一曲。
そのために三ヶ月レストラン活動
休んだり、ライブの少ない時期が
あったりしたのに手につかなかったり
パソコンソフトに阻まれたり。
なんなんすか、俺?
できないんすか?

音楽しかやらずに生活してるのに
こんなけ作品の作れない俺、
大丈夫か!?ほんまに
才能あるのか!?
寝てるだけの生ゴミなのか?

て耳元で囁く悪魔もいましたが
なんとか振り切って、
お尻にライターで着火し、
ようやく迎えたリリースの日。

本来ならこの日にバシッと
かっこよくCD商品を並べたかったのですが
この日用意できたのは暫定商品、
つまりCD-Rです。

ジャケットやパッケージは間に合いましたが
なんと音源が完成したのが
リリースパーティーのわずか二日前。
27日のお昼頃のお話。

てんで話にならないクソな仕事ぶり。
もし事務所がついてたら
俺はクビだし、完全アウトなんだけど、
自転車操業でやってるおいらだから
怒られるのは俺の背中についてる
天使達だけ。

その天使達も呆れ返り
鬼になっておりましたが、
仕方ありません。
この日までかかってしまったのです。

予定していた7曲ちゃんと
考え抜いて、作ったしょーもない
歌詞内容の音楽。心から
しょーもない!つーて
わろてもらえたらと思います。

力を貸してくれ続けた
周りの人たち、本当に
暖かい人たちに心から
感謝しています。


で、当日。
長年やっていて、
人生かけてやってる割には
たくさんの人に助けてもらって
お礼もしたい割には
あまりにも少なすぎるご予約…。

悲しいけどこれが現実、、、。
せっかく来てもらえたお客さんに
楽しんでもらおうと当日
ワンダフル食堂の唐揚げや
ケーキまで用意し、CD-Rを
焼いてジャケットに入れて
お店での演出考えたり
新曲の練習したり。

のらりくらりな俺の人生でも
ほんまに忙しく走り回りなんとか
迎えた当日。
まずは会場でライブできる
音環境を作るところからスタートなのです。


まずはスピーカーの位置を決め
配線してみる。音が出るのか。
この時点でまあまあ苦戦する。
ようやくメインステージの音が鳴り
今度は二階ステージでの音チェック。

この時点で青ざめました。
二階のステージから見下ろす感じで
ライブしたら面白いしかっこいいかなと
思って計画してましたが、
このステージ、モニターがない。

つまり自分の声や音は
地下でしか鳴ってないのです。
自分が歌う声は3メートル下の
床で鳴って自分に届くのはそれが壁なり
お客さんに跳ね返ってくる音。

急いでなんとかモニターを
用意しようと別スピーカーを
用意しましたが鳴ってくれず、
『えーい、自分の音など遠くで
聞こえてたら十分じゃ、やれるわい!』
とヤケクソでサウンドチェックを終えて
EVENTをスタートさせてしまったのです。
地下では次々に仲間が挨拶し
外にもお客さんの気配、
音さえ出ればなんとかなる!

地下の音はなんとかかんとか
音響を勉強していた友人Yちゃんの
力でなんとか回すことができ、
楽しいステージが続いてお客さんも
笑顔いっぱい、さぁ、ラストの
ステージも終わり、期待感も
最高潮。俺の出番だ。

さぁ、衣装に着替えて
ライブ始めるか!
と思ったら、、、

あれ?
衣装がないぞ!!
店中手分けして探してもらいましたが
見つからず、家に置いてきた
みたいだと判明。。。

諦めてサウンドチェックを
しようとした瞬間!
あ!!
ギターにワイヤレスユニットが
刺したままになっていた!!

このワイヤレスユニットは
最大5時間しか使えない。
案の定片方は電源が切れ、
もう一つも点滅している。

おいおい、今からライブだぞ。
どうするんだ…。

俺のライブはギターを有線で繋いでも
うまくやれないのだ。
ギターのメーカーの作りのせいで
普通のシールドを刺すと動くたびに
ノイズが発生して不安定なんです。
このギターに履かせた
Tバックは趣味ももちろんあるけど
このワイヤレスユニットが
安定して音を発信するために必要な
ホルダーとして機能している。

Tバックなしにはライブうまくいかない
ギターなのだ。そしてこのワイヤレス
なしでもうまくやれない。

地下にギター一本で降りて
弾き語る一幕も予定しているのに。。

衣装の上、ワイヤレスまで
どうしていいのかわからない
泣きたい気持ちの中、ライブまだ?
みたいなお客さんのテンション、、

ヤバいよ。ヤバすぎるよ。
その時、閃いた!

このワイヤレスには
充電の穴があり、
充電しながら動かすことができる!
ならばと携帯用のバッテリーを
取り出しギターの裏にガムテープで
固定して繋いでみた!!

よし、やれる!
やっとステージに戻り
さぁやるか!と思ったら

今度はマイクが出ない、、、。
なんでだろうか、理由は
わからないがマイクがなかなか
出てくれない。もうすでに三十分
押している、、、。

普段着みたいな服で
テンション撃凹みの中
マイク、鳴ってくれた!!

よし、、、。

ヨボヨボのじーさんのような
死にかけの精神力で、いきなり新曲
ニ連続の予定、、、できるわけない。
しかも音は遠くで聞こえるだけだぞ、、、

とのことで、いつもの曲で
なんとかスタートし
セットリストに入れました。

でも聞こえる音は地下のスピーカーの
回ってくる音だけ。声もそう。

まるで扉の閉まった地下鉄の中で
なってる車掌さんの声みたいに
地下鉄の外にいる俺には
遠くか細く聞こえる自分の音。
ほぼイメージで聞いてるだけ。 

ほんまに死にかけの精神力で
か細くか細く聞こえる音を頼りに
なんとか気持ちでやり切りました。

途中、時間ないのにギター貸してくれた
友人のサポートやゲストで盛り上げてくれたり
ステージ周りでオペレーションやってくれる
みんなのおかげで最後までやれました。
途中マイクのケーブルが抜けて中断したり。
さらに最後の曲でギターの中に
入ってる電池まで無くなってしまったり。

ワイヤレス挿しっぱなしだと
電池無くなるのよね…。涙

自分のイメージする
カッコいいAkito×Wonderfulと
ここまでかけ離れた情けない
状況が続くとは思っても見なかった。

トラブルのたびに止まり、
あわあわするおいらの発する
メッセージ。Tバック、、、。
届いたのかシンポマン…。

ライブ中、心は折れて首の皮一枚で
なんとかゴールしました。

この日集まってくれたアーティスト達が
見せてくれたライブの方が
何倍もよかったやん。。。


でもそんな素晴らしいアーティスト仲間も
心からの応援の気持ちで周りで
センスを振ってくれて最後は
なんかありがとうありがとうで
なんか情けない気持ちで
いっぱいでしたけど、
なんとかこうして
俺の新作発表会が終わったのでした。

思えばリリースパーティーと
名のつくものは毎回こんな感じだな。

音楽専門じゃないお店で
作品用意して音響用意して、
いつもやらないことを詰め込んで。

今回は音響やってくれたらY
ちゃんや、入り口で
物販や受付やってくれたり
お店の人も音響など積極的に
動いてくれたおかげで
まだなんとかなったけど
改めてライブハウスの
快適な演奏環境をありがたいこと
なんだなぁとしみじみ。

もちろんライブハウスで
やることを今回も考えたけど見事に
週末が全部埋まっていて
半年以上先にしか組めなくて
(言い訳にもならないけどね)
そんな中THE 9X OSAKAに出会い、
やれたことも、この連続事故ライブも
全部運命、、やったと
ようやく一週間経って思い直せています。

ほんまに力を貸してくれた
周りの人たちに大感謝しつつ、
大赤字になる予想もしておりましたが
なんとか黒字経営で終えることもできました。

ライブ内容はやっぱり
悔しさと申し訳なさしかないから
これからそれを返して行きたいと思います。

CDの内容は心から自信を持って
完成させられたから
血まみれで産み落としたんだって
ことにしておきます。

見守ってくれた方は
家族です。本当にありがとう。